「戦略PR」という言葉を聞いたことはあっても、
「通常のPRと何が違うのか」
「PR戦略とは別のものなのか」
「具体的に何をするのか」
と疑問に感じる方も多いのではないでしょうか。
戦略PRは、単にプレスリリースを配信したり、メディア掲載を増やしたりすることではありません。
重要なのは、
企業が達成したい事業上の目的から逆算し、誰に・何を・どのような文脈で届けるのかを設計すること
です。
さらに現在では、テレビ、新聞、Webメディアだけでなく、SNS、インフルエンサー、動画、口コミ、検索など、生活者が情報と接触する経路は大きく広がっています。
そのため戦略PRも、
「どのメディアに出すか」
ではなく、
「ターゲットの認識や行動を変えるために、情報をどう流通させるか」
という視点で考える必要があります。
この記事では、戦略PRの基本的な考え方から、PR戦略との違い、具体的な進め方、ニュースになるFACTのつくり方、成功させるためのポイントまで、PRの実務視点から解説します。
1. 戦略PRとは?
戦略PRとは、企業や商品・サービスが達成したい目的から逆算し、社会や生活者との接点をつくるためのPR活動を戦略的に設計する考え方です。
例えば、
「新商品を発売したのでプレスリリースを出す」
「テレビ番組へ商品を紹介する」
「インフルエンサーを起用する」
といった施策から考えるのではありません。
まず、
このPRによって事業として何を実現したいのか。
誰の認識を変えたいのか。
現在どのように認識されているのか。
どのような認識へ変えたいのか。
を整理します。
そのうえで、
- メディア
- SNS
- インフルエンサー
- イベント
- 動画
- 口コミ
- 検索
- 広告
など、必要な情報接点を組み合わせます。
つまり戦略PRとは、
PR施策から考えるのではなく、事業目的から情報の届け方を逆算すること
だと考えると分かりやすいでしょう。
2. 戦略PRと通常のPRは何が違う?
「通常のPR」と「戦略PR」に、明確な境界線が存在するわけではありません。
本来PRそのものが、目的から逆算して戦略的に行われるべきものだからです。
しかし実務では、PR活動が、
- プレスリリースを作る
- メディアへアプローチする
- 記者発表会を行う
- インフルエンサーを起用する
- 掲載数を増やす
といった「施策中心」になってしまうことがあります。
その結果、
「メディア掲載を獲得すること」がPRの目的になってしまう
ケースもあります。
戦略PRでは、その一段上から考えます。
「なぜメディア掲載が必要なのか」
「誰にその情報を届けたいのか」
「その人に現在どう思われているのか」
「情報が届いた結果、どんな認識や行動の変化を起こしたいのか」
まで考えます。
例えば、新しい食品ブランドのPRを行う場合。
施策起点であれば、
「新商品を発売したのでメディアへ紹介する」
となります。
一方、戦略PRでは、
「誰に商品を選んでもらいたいのか」
「その人は現在どんな課題を感じているのか」
「競合ではなく自社を選ぶ理由は何か」
「その課題を社会ではどのようなテーマとして語れるのか」
「誰からその情報を聞くと信頼されるのか」
まで考えます。
つまり、
商品をニュースにするだけではなく、商品が必要とされる文脈や情報環境そのものを設計する
という考え方です。
3. 「PR戦略」と「戦略PR」の違い
似た言葉として「PR戦略」があります。
実務上、この2つは混同して使われることも少なくありません。
一般的にPR戦略とは、
企業のPR活動全体をどのように進めるかという方針・計画
を指します。
例えば、
- PRの目的
- ターゲット
- メッセージ
- メディア
- SNS
- 年間スケジュール
- KPI
などを設計します。
一方、戦略PRという言葉は、
企業の商品やサービスが社会から注目されるための文脈や情報環境をつくる
という意味合いで使われることがあります。
例えば、
「この商品は便利です」
と直接伝えるのではなく、
「いま社会では○○という課題が起きている」
「生活者の○○という行動が変わっている」
という情報を社会へ発信することで、そのカテゴリーや課題への関心を高める。
結果として、自社の商品やサービスへの関心につなげていく考え方です。
ただし、言葉の定義そのものにこだわりすぎる必要はありません。
重要なのは、
事業目的から逆算して情報の流れを設計できているか
です。
4. なぜ今、戦略PRが必要なのか
戦略PRの重要性が高まっている背景には、生活者を取り巻く情報環境の変化があります。
以前は、
テレビ
新聞
雑誌
などのマスメディアが、社会へ情報を届ける大きな役割を担っていました。
現在は、
X
TikTok
YouTube
Webメディア
インフルエンサー
口コミ
Google検索
AIを活用した情報収集
など、情報接点が大きく細分化しています。
例えば商品を購入するまでに、
TikTokで商品を知る。
Instagramで口コミを見る。
Googleで商品名を検索する。
YouTubeでレビューを見る。
ニュース記事で企業について調べる。
という行動を取ることも珍しくありません。
つまり、
「テレビに出れば多くの人に伝わる」
という単純な情報設計だけでは十分ではなくなっています。
また、企業のマーケティング課題も変化しています。
Web広告で一定の顧客を獲得できていた企業でも、競争激化によってCPAが上昇し、広告だけでは次の成長をつくりにくくなることがあります。
そうしたとき、
広告によって「すでに興味がある人」を獲得するだけでなく、
PRやSNSを通じて、
そもそも商品やカテゴリーに興味を持つ人を増やす
という活動が必要になります。
だからこそ、
ターゲットがどこで情報を受け取り、誰の情報を信用し、何をきっかけに行動するのか
まで考える戦略PRが重要になります。
5. 戦略PRの基本的な進め方|具体例で6つのSTEPを解説
戦略PRは、いきなり
「プレスリリースを出そう」
「インフルエンサーを起用しよう」
と施策を考えるところから始めません。
まず、
何を実現したいのか。
誰の認識を変えたいのか。
現在どう思われているのか。
どのような認識へ変えたいのか。
どんなFACTや文脈をつくる必要があるのか。
その情報をどこからどう届けるのか。
を順番に整理します。
ここでは、架空の「中小企業向けAI議事録サービス」を例に考えてみましょう。
まず確認したい「カテゴリーでのポジション」
具体的なSTEPへ入る前に確認しておきたいのが、
自社の商品・サービスが、そのカテゴリーでどのようなポジションにいるのか
です。
特に、
カテゴリーリーダーかどうか
はPR戦略を考えるうえで重要です。
カテゴリー内で圧倒的な認知やシェアを持っている企業の場合、
カテゴリーそのものへの関心が高まることが、自社の売上につながりやすい
という特徴があります。
例えば、スポーツドリンク市場で非常に高い認知を持つブランドを考えてみましょう。
「夏場の水分補給が重要」
「運動時には水分や電解質の補給が必要」
といったスポーツドリンクカテゴリーそのものへの理解が広がれば、カテゴリーリーダーにとって大きなメリットがあります。
商品名を毎回直接訴求しなくても、
市場そのものが広がれば、自社商品が選ばれる可能性も高くなる
からです。
一方、カテゴリー内でシェアが低い企業が同じカテゴリー啓蒙を行った場合、PRによって市場への関心を高めても、その需要がカテゴリーリーダーへ流れてしまう可能性があります。
その場合は、
- 自社独自の機能
- 独自技術
- 特定ターゲットへの強さ
- 新しい利用シーン
- UX
- サポート
- 価格
- ブランドの思想
など、競合優位性やコアコンピタンスを起点にPR戦略を設計する必要があります。
つまり、
「市場を広げれば自社が勝てるのか」
それとも、
「市場の中で自社を選ぶ理由をつくらなければならないのか」
を見極める必要があります。
今回の例:中小企業向けAI議事録サービス
ある企業が、
オンライン会議を自動で文字起こし・要約し、議事録を作成するAIサービス
を提供しているとします。
Web広告も実施していますが、
- 競合サービスが増えている
- 広告CPAが上昇している
- 「AI議事録」というカテゴリーだけでは差別化しにくい
- サービス名の認知が低い
という課題があります。
さらに、この企業はAI議事録カテゴリーの圧倒的なリーダーではないとします。
この場合、
「AI議事録は便利です」
というカテゴリー啓蒙だけを行っても、競合サービスの売上を押し上げる可能性があります。
そこで、
「文字起こしツール」ではなく、「会議後の業務そのものを効率化するサービス」
という自社ならではの価値を軸にPR戦略を考えていきます。
STEP1. 事業として何を実現したいのかを整理する
最初に考えるのは、
PRで何をするかではなく、事業として何を実現したいのか
です。
「テレビに出たい」
「Webメディアに掲載されたい」
は目的ではありません。
今回の企業の経営課題を掘り下げると、
Web広告だけでは新規顧客の獲得効率が悪くなっているため、新しい顧客層へ認知を広げたい
という課題があったとします。
するとPRの目的は、
「メディア掲載数を増やす」
ではなく、
広告以外の情報接点を増やし、新しい顧客層からの認知・検索・問い合わせを増やす
ことになります。
この違いは重要です。
目的が「掲載」であれば、掲載された時点で成功です。
しかし目的が「新規顧客層への認知拡大」であれば、
- 指名検索は増えたか
- Webサイトへの流入は増えたか
- ターゲット層へ届いたか
- 問い合わせにつながったか
まで見る必要があります。
STEP2. 誰に届けたいのかを具体化する
次にターゲットを考えます。
「中小企業のビジネスパーソン」
だけでは広すぎます。
例えば、
従業員50〜300名程度の企業で、毎日複数の会議を行っている営業責任者や管理職
まで具体化します。
さらに、
- 会議が多い
- 議事録作成に時間がかかる
- 部下によって議事録の品質が違う
- 会議後のタスク管理がうまくできない
- AIには興味があるが、何を使えばよいかわからない
といった課題まで考えます。
情報収集についても、
- ビジネス系Webメディア
- X
- YouTube
- Google検索
など、普段どこから情報を得ているのかを考えます。
ターゲットの解像度が高くなれば、
誰に、どんな情報を、どこから届ければよいのか
が見えやすくなります。
STEP3. ターゲットが現在どう思っているのかを整理する
次に、
現在の認識
を整理します。
ターゲットへヒアリングすると、
「AI議事録というサービスは知っている」
「便利そうだとは思う」
しかし、
「Zoomの文字起こしでも十分では?」
「どのサービスも同じに見える」
「わざわざ導入するほど困っていない」
と思われていたとします。
この場合、課題は単純な認知不足ではありません。
必要性や違いを感じてもらえていない
ことです。
現在の認識を、
「AI議事録=あると便利な文字起こしツール」
と整理します。
STEP4. どのような認識へ変えたいのかを決める
次に、
最終的にターゲットへどう思ってもらいたいのか
を決めます。
今回であれば、
BEFORE
AI議事録
= あると便利な文字起こしツール
↓
AFTER
AI議事録
= 会議後の業務時間を削減し、生産性を改善するための業務インフラ
という認識変化を狙います。
カテゴリーリーダーではないため、
「AI議事録を使いましょう」だけではなく、「なぜこのサービスなのか」が伝わる認識をつくる
必要があります。
このBEFORE / AFTERが決まると、発信すべき情報も見えてきます。
STEP5. 商品を直接訴求する前に「FACT」をつくる
ここが、戦略PRでは非常に重要です。
企業側からすると、お金を払ってPRを実施する以上、
できるだけ自社の商品・サービスを直接発信したい
と考えるのは自然です。
「新機能を紹介してほしい」
「サービス名を記事タイトルに入れてほしい」
「商品のメリットをもっと説明してほしい」
という要望も出てきます。
しかし、企業が自社商品のメリットを説明する情報だけでは、メディアや生活者にとってニュースになるとは限りません。
そこで必要になるのが、
FACTづくり
です。
例えば、中小企業の管理職500人へ調査を行い、
「管理職の○%が、会議そのものより会議後の業務に負担を感じている」
「週平均○時間を議事録・タスク整理に使っている」
という結果が得られたとします。
すると、
「管理職を悩ませる“会議後残業”。○%が議事録・情報整理を負担と回答」
という社会的なニュースをつくれます。
そのニュースの中で、
「こうした課題をAIによって効率化する動きが広がっている」
と伝え、その解決策の一つとして自社サービスを提示する。
BEFORE
企業が直接言いたいこと:
「当社のAI議事録サービスは高性能です」
AFTER
社会へ届ける情報:
「管理職は会議後業務に週○時間。AIによる業務効率化が広がる」
商品を主語にするのではなく、
ターゲットや社会が抱えている課題を主語にする。
これがPRにおける「翻訳」の一つです。
FACTづくりもマーケティング投資である
ここは、戦略PRを実行できる企業とできない企業の分岐点になることがあります。
企業からすると、
調査をする。
データを取得する。
新しい取り組みを始める。
イベントを企画する。
専門家と共同研究する。
といった活動へ予算を使うより、
直接商品を宣伝するためにお金を使いたい
と感じるかもしれません。
特に、PR会社へ費用を支払っているのであれば、
「なぜさらに調査に予算が必要なのか」
と感じるのも自然です。
しかし戦略PRでは、
商品を広げるための「ニュースになる理由」をつくること自体もマーケティング投資
だと考える必要があります。
例えば100万円の予算があるとします。
その100万円を、
「100万円分、自社商品の説明をする」
ためだけに使うのか。
あるいは、
「世の中がこのテーマについて話したくなるFACTをつくる」
ためにも使うのか。
という違いです。
調査データがニュースになり、
メディアが取り上げ、
SNSで引用され、
検索が増え、
結果として商品への関心が高まるのであれば、FACTづくりへの投資も立派なマーケティング活動です。
戦略PRでは、
商品を直接訴求する予算だけでなく、「商品が語られる環境をつくるための予算」を許容できるか
が重要になります。
STEP6. 情報が広がる「順番」と「接点」を設計する
FACTと文脈ができたら、最後に情報の流れを設計します。
今回なら、例えば次のような流れです。
① 調査データを発表する
「管理職の会議後業務」に関する調査結果を公開する。
↓
② ビジネスメディアへ情報提供する
「会議後残業」「AIによる業務効率化」などの切り口で、働き方・IT・ビジネスメディアへ情報提供する。
↓
③ SNSで話題を広げる
「会議より、会議後の方が大変」
といった、ビジネスパーソンが共感しやすい切り口でデータを発信する。
↓
④ AI・仕事術系の発信者に体験してもらう
実際にサービスを使用してもらい、使用感や業務改善効果を紹介してもらう。
↓
⑤ 動画・記事で深く理解してもらう
「AIで会議後業務をどこまで削減できるか」
といった検証コンテンツを制作する。
↓
⑥ 検索の受け皿をつくる
「AI議事録 比較」
「議事録 自動化」
「会議 効率化」
などで検索した人が、詳しく理解できるコンテンツを用意する。
↓
⑦ 広告で再接触する
ニュースやSNSをきっかけにWebサイトへ来訪したユーザーへ広告で再接触し、資料請求や問い合わせへつなげる。
つまり、
MEDIA → SNS → INFLUENCER → VIDEO → SEARCH → AD
という情報循環をつくります。
ここまで設計すると、PRは単なる「メディア掲載獲得」ではなくなります。
6つのSTEPをまとめると
| STEP | 考えること | AI議事録サービスの例 |
|---|---|---|
| 前提 | カテゴリーポジション | カテゴリーリーダーではない |
| STEP1 | 事業目的 | 広告CPA上昇を補い、新規顧客層へ認知拡大 |
| STEP2 | ターゲット | 会議の多い中小企業の営業責任者・管理職 |
| STEP3 | 現在の認識 | 便利そうだが、なくても困らない |
| STEP4 | 目指す認識 | 会議後の生産性改善に必要な業務インフラ |
| STEP5 | FACT・文脈 | 管理職は会議後業務に多くの時間を失っている |
| STEP6 | 情報接点 | MEDIA → SNS → INFLUENCER → VIDEO → SEARCH → AD |
重要なのは、
STEP6の「どこに出すか」から考えないこと
です。
事業目的が違えばターゲットが変わります。
ターゲットが変われば必要な認識変化も変わります。
認識変化が変われば、必要なFACTも情報接点も変わります。
さらに、
カテゴリーリーダーであれば市場そのものを広げるPRが有効なのか。
カテゴリーリーダーでなければ、自社を選ぶ理由をどのようにつくるのか。
まで考える必要があります。
6. 戦略PRで重要な「FACT」と「文脈」のつくり方
戦略PRでは、
企業が発信したい情報と、社会が興味を持つ情報を接続すること
が重要です。
例えば企業が、
「新しい睡眠管理アプリを発売しました」
と発表するとします。
企業にとって新商品発売は大きなニュースです。
しかし社会から見ると、
「また新しいアプリが発売された」
という、多数の商品情報の一つにすぎないかもしれません。
そこで、
- 働く人の睡眠時間
- 若年層の睡眠に対する意識
- 睡眠不足による仕事への影響
- 企業の健康経営
- 睡眠改善への投資
など、社会に存在するテーマと接続します。
例えば独自調査によって、
「働く人の○%が睡眠に悩みを抱えている」
というFACTが得られれば、
単なる商品ニュースではなく、
「働く人の睡眠問題」
という社会テーマとして情報を発信できる可能性があります。
ここで重要なのは、無理にニュースをつくることではありません。
実際に存在するデータや社会変化を見つけたり、新しい調査や取り組みによってFACTを生み出したりしながら、
第三者にとって意味のある文脈へ企業情報を翻訳すること
です。
PRは魔法ではありません。
もともとニュース性がないものを、言葉だけでニュースに変えることには限界があります。
だからこそ、
発信方法を工夫するだけではなく、「発信できる事実そのものをつくる」
という発想が必要になります。
7. メディア露出だけを目的にしない
戦略PRを考えるうえで注意したいのが、
メディア露出そのものを最終成果にしないこと
です。
テレビに出た。
新聞に掲載された。
Webニュースが100本出た。
広告換算額が1億円になった。
もちろん、これらもPR活動を見る一つの指標です。
しかし、本来の目的が事業成長なのであれば、
「狙っていたターゲットへ届いたのか」
「商品の理解が進んだのか」
「検索が増えたのか」
「SNSで話題になったのか」
「問い合わせや購買につながったのか」
まで見る必要があります。
例えば、非常に大きなメディアに掲載されても、自社の商品を購入する可能性が低い層ばかりであれば、ビジネス成果への影響は限定的かもしれません。
反対に、規模の小さな専門メディアでも、ターゲットとなる意思決定者が多く読んでいるのであれば、大きな価値があります。
重要なのは、
「どれだけ出たか」ではなく、「誰に・何が・どう届いたか」
です。
だからこそ、広告換算額だけをPRの成功指標にすることにも注意が必要です。
事業目的に合わせて、
- メディア掲載
- SNS上の言及
- 指名検索
- Web流入
- 問い合わせ
- 商談
- ブランド認知
- ブランドイメージ
など、適切なKPIを設定する必要があります。
8. 戦略PRを成功させる5つのポイント
8-1. PRの目的を先に決める
「何をするか」よりも、
「何を達成したいか」
を先に決めます。
目的が曖昧だと、
プレスリリース。
インフルエンサー。
記者発表会。
SNS。
と、PRメニューを並べるだけになってしまいます。
8-2. 自社のカテゴリーポジションを理解する
カテゴリーリーダーとチャレンジャーでは、有効なPR戦略が異なります。
市場そのものを広げれば自社が最も恩恵を受けるのか。
それとも、競合との違いを明確にして、自社を選ぶ理由をつくらなければならないのか。
自社の市場ポジションを理解したうえでPR戦略を設計すること
が重要です。
8-3. 企業が伝えたいことだけで考えない
企業が伝えたい情報と、社会が知りたい情報にはギャップがあります。
PRでは、
企業が言いたいことを、社会が知りたい文脈へ翻訳する
必要があります。
そして必要であれば、調査や新しい取り組みを通じて、その文脈を支えるFACTそのものをつくります。
ここはPR会社の力量が大きく出る部分でもあります。
8-4. ターゲットの解像度を上げる
誰に届けるのかが曖昧なら、適切な情報接点を選ぶこともできません。
年齢や性別といった属性だけでなく、
行動。
情報源。
課題。
価値観。
検索行動。
誰の意見を信用するのか。
まで理解することが重要です。
8-5. 一発の「バズ」だけを狙わない
PRでは、
「バズらせたい」
という相談も少なくありません。
しかし、バズを意図的かつ確実に生み出すことは困難です。
一方で、
新しい企画をしない。
新しいコラボレーションをしない。
新しい情報を出さない。
新しいFACTをつくらない。
という状態では、大きな話題が生まれる可能性も低くなります。
重要なのは、
バズを保証することではなく、話題が生まれる可能性のあるチャレンジを継続すること
です。
PRは広告と比べて不確実性があります。
しかし、一度大きな情報波及が起これば、投資額以上のインパクトを生む可能性もあります。
だからこそ、PRを軽視するのではなく、
不確実性を理解したうえで、継続的なマーケティング投資として捉えること
が重要です。
9. 戦略PRと広告・SNSをどう組み合わせるか
PRだけですべてのマーケティング課題を解決する必要はありません。
広告とPRには、それぞれ異なる特徴があります。
広告では、企業自身が情報を発信し、リーチ、ターゲティング、メッセージ、タイミングなどを比較的コントロールできます。
一方PRでは、メディアや第三者を介するため、情報を完全にはコントロールできません。
しかし第三者から語られることで、
企業自身が「この商品は良い」と伝える場合とは異なる信頼性や話題性
を生み出せる可能性があります。
SNSにはさらに、
生活者自身が情報の発信者になる
という特徴があります。
例えば、
PRで社会的なFACTをつくる。
↓
メディアがニュースとして紹介する。
↓
SNSでそのニュースが共有される。
↓
インフルエンサーが商品を体験する。
↓
実際のユーザーによるUGCが生まれる。
↓
商品名やカテゴリーの検索が増える。
↓
検索先の記事やWebサイトで理解を深める。
↓
広告で再接触する。
↓
購入や問い合わせにつなげる。
という情報循環をつくることができます。
つまり現在の戦略PRでは、
PR / MEDIA / SNS / INFLUENCER / VIDEO / SEARCH / AD
を別々に考えるのではなく、
それぞれがどのようにつながり、情報を増幅させるのか
まで設計することが重要です。
10. まとめ|戦略PRは「情報の届け方」を設計すること
戦略PRというと、
高度なPRテクニック。
特別なメディア戦略。
話題をつくる裏技。
のように思われるかもしれません。
しかし、本質はもっとシンプルです。
企業が何を実現したいのか。
自社は市場でどのポジションにいるのか。
誰の認識を変えたいのか。
現在どのように認識されているのか。
どのような認識へ変えたいのか。
そのためにどんなFACTが必要なのか。
どんな文脈なら社会が興味を持つのか。
誰を通じて、どこで情報を届けるべきなのか。
これらを一つずつ整理し、
情報がターゲットへ届き、認識や行動が変わる仕組みを設計すること。
それが戦略PRです。
特に重要なのは、
PR会社へ費用を支払っているからといって、予算のすべてを商品そのものの直接訴求に使おうとしないこと
です。
時には、
調査を行う。
データをつくる。
新しい取り組みを始める。
専門家と組む。
イベントをつくる。
といった、
「語られる理由」をつくるための投資
が必要になります。
PRは魔法の杖ではありません。
発信したい情報をメディアへ持ち込めば、必ず世の中へ広がるわけではありません。
だからこそ、
発信する技術だけでなく、「発信する価値のあるFACT」をつくるところから考える。
そして、
カテゴリーリーダーなら、市場そのものを広げる。
カテゴリーリーダーでなければ、自社を選ぶ理由をつくる。
そのうえで、メディア、SNS、インフルエンサー、動画、検索、広告などを組み合わせながら、情報の流れそのものを設計する。
株式会社レターズでは、
「どこに出すか」ではなく、「どう届くか」をデザインする。
という考え方を大切にしています。
戦略PRとは、
事業目的から逆算して、「誰の、どんな認識を、何を根拠に、どう変えるのか」を考え、そのための情報流通を設計すること。
これが私たちの考える戦略PRです。
戦略PRについて
相談したい方へ
「PRを実施しているが、メディア掲載だけで終わっている」「広告CPAが上昇しており、新しい情報接点をつくりたい」「自社にはニュースになる情報がないと感じている」といった段階でもご相談いただけます。
株式会社レターズでは、決まったPRメニューを当てはめるのではなく、企業がPRを通じて何を実現したいのかを整理し、必要に応じてニュースになるFACTづくりから情報流通まで設計します。
